最近読んだ本2冊

時効なし。

時効なし。

これはアツイ書物。全編語り起こしなので何割か差し引いて聞いても、だからこそ若松孝二の人となりがわかるってもんだ。完全なるレベルアティテュードと行動力の人。ステキすぎます。
ゲリラと同行した足立正生を待つ記述や赤塚富士夫にまつわる話など泣けるエピソード満載かつ「イスラエルから帰ってきたときの場所を作ってやりたいんだよ」(多分)など名言が沢山。

行動主義―レム・コールハースドキュメント

行動主義―レム・コールハースドキュメント

若松孝二とは有る意味対極にある天才の密着ドキュメント。フットワークの異常な軽さと好奇心旺盛さは似てるけど、資本主義・グローバリズムに対する対応はかなり違うよねって。若松はあくまでアウトサイダーで居ようとするけどコールハースは内側に入って許容・是認し且つあわよくばそれを乗りこなそうとする節・意思があるように思える。
建築は環境や政治までも射程範囲に捕えてきている(形態それ自体でなくそこに建築の進化の可能性がある)という視点は新鮮で魅力的です。宗教建築由来の総合芸術としての建築から政治やグローバリズムを規定する建築へ。
そういえば昔品川でコールハースの講演聞きに行ったときあるけど、そんなに面白くなかった記憶があるというのは内緒の方向で。