旅へ誘う本2冊

ウルトラバロック (フォト・ミュゼ)

ウルトラバロック (フォト・ミュゼ)

中沢新一の序文は、相変わらずよく分からんけど何となく丸め込まれてる気になる怪しいものですが。バロック様式に影響されたメキシコの教会って非常に過剰で面白いんです。バロックの意味「歪んだ真珠」よろしく、簡素なしつらえの教会の中は 画面の中からはみ出さんばかりの過剰さで現れる彫刻!装飾!色彩!たとえば僕が撮ったならどんな広角でも収めることはできないかもしれないでしょう。素晴らしく圧倒的なヴォリューム。特に聖書の世界を具現化したようなスーパーリアル且つ微細な彫刻には、情念が壁にそのまま塗り込まれているようでかなり怖い。これ見てるとあちらの小説のような家の外がいきなりおとぎ話と繋がってるような世界観も少しは理解できる気がします。マジックリアリズムへのいざないだな。圧倒される写真ばかりなので是非探して見てみて欲しいです。


ル・コルビュジエのインド (建築文化シナジー)

ル・コルビュジエのインド (建築文化シナジー)

シャンディガールにマスタープランを監修したコルヴィジェの都市計画があるのは有名な話。失敗視されてる、っていうか同時期のロンシャンなんかと比べて認知度は低い気がしますが。
いや、でも凄いよ、この写真を通して伝わってくる建築の自由度は。ブラジリアもそうだけど近未来的な都市計画なはずが未来的、ってところを通り越して既に都市の遺跡の様だ(解説では、「泥」って言われてますが)。従兄弟のピエール・ジャンヌレのものやルイス・カーン設計の大学も近くにあるらしく個人的には垂涎。特にコルブ作の「議事堂」と「合同庁舎」は、その工事の粗雑さも含めてどうしてもこの目で直接見てみたい・・。

どちらも死ぬ前に一度は行ってみたいです。インドも、メキシコも。。