遊び足りない

ザゼンボーイズの新しいアルバムが凄くかっこいいです。

ZAZEN BOYS4

ZAZEN BOYS4

何の気なしに視聴して1曲目のラリー・レヴァンよろしくなディープハウス(「Asobi」)に一発でヤラれて、即購入となりました。途中割り込んでくる鍵盤の音が流麗でボクの琴線にバリバリと触れてきます。相変わらずこういうのに弱いんだよな。しかしソフト買ったからってすぐにこんなの作れてしまう向井秀徳って、才能あるんですね。とかいって、遅いか今ごろ。

全身のナンバーガールといえば、「透明少女」とか多分コピーしたことあるけど個人的にハマったこともなく、その「絶叫するのび太くん」キャラも相まってか、どちらかといえば拒否反応があったかもしんない。
しかし、ザゼンになってバッファロー・ドーターズボンズで叩いてたAtushi(ビースティのマイクD曰く「世界一のドラマー」)加入の報をきいたり、いつだったかの「STUDIO VOICE」名盤特集でのベスト10で長渕とプリンス(ドロシー・パーカーのバラード!)がエントリーしてたのを見てから若干親近感を覚え、フジTV「僕らの音楽」でのこのギタープレーを見るに至って考え方を改めました。

なんというかフレーズの「間」が絶妙にファンクの雰囲気を醸し出していて素晴らしいっす。変な先入観は持たん方がいいですね。

色んなレコ評で一枚ハウスで通した方が良かったんでは?っていう意見を目にしますが、初体験な僕にはちょうどいい。ギターベースの曲もかっこよくて、分裂症気味に突如挿入されるドラムロールとか、ポストパンク風の耳に障るギターの音とか、そもそもリズムが変拍子だったりとか、つーかいきなりハウスかと思いきやギター主体の曲が入ってたりと収録曲の構造からして分裂しってるってゆー脈絡の無い/唐突なところとか、2000年代後半の気分が見事に反映されていると思います。そしてデイブ・フリッドマンProdなのですね、コレ。どおりで奥行きのあるサウンド

どの曲もいびつなファンクネスをまとっててかっこいいです。ここがザゼンひいては向井氏の作る音楽のキモかと。個人的には彼の芝居がかったボーカル &歌詞が辛いので(本能寺で待ってる、ってどゆこと?)一枚聴くと若干の疲れます。と思いきや、最後の曲は憑き物の落ちたような調子で「なんか、寂しい」とかなりの寂寞感を漂わせて終わる、っていうすごい落差。笑えるしハッとするナイスな幕引きで、もっかい聴こうかな、と思えます。

個人的にはマーズヴォルタやBATTLESやCSSとかその他諸々のメジャーだけどエッジィな外国CDと並べても遜色無いと思います。あと日本のバンドだとゆらゆら(Dizzy Empire 笑)くらいかなあ(ある程度セールスがあるっていう前提で)。