最近読んだ本2冊

大統領閣下 (ラテンアメリカの文学 (2))

大統領閣下 (ラテンアメリカの文学 (2))

アストリアス『大統領閣下/グアテマラ伝奇集』
近代南米の独裁者ものといえばマルケス『族長の秋』が思い浮かび、同様にその独裁っぷりにより最早超越者となってしまう大統領、そしてその孤独な一人物の一挙一動に周囲が過剰に振り回される様子は喜劇的性格を帯びており、正直笑える。
しかし徐々に反体制の人となっていく主人公の最後はこれ以上内無いくらい悲惨だった。物語に移入する性格の人には薦められないなあ。当時のグァテマラはこうだったの?この時代のラテンアメリカへの興味は募るばかり。特に内陸はタチが悪そう。
「ガテマラ伝奇集」は読むのが結構辛かった。。


マレー蘭印紀行 (中公文庫)

マレー蘭印紀行 (中公文庫)

金子光晴『マレー蘭印紀行』
著者自身の旅行記。普通イメージする旅行記とはかけ離れた、美しくてそしてドライな文章。自然描写のイメージ喚起力が凄くて、コンサート中ジスモンチの音楽が重なりあったりしてた。