『神聖喜劇』読了

ついに大西巨人神聖喜劇』読了しました。しばし目眩のような感覚と寂寥感に見舞われておりますが。。
400文字詰め原稿用紙4,700枚の脳内トリップ。質・量ともに圧倒的な読書体験でした。
読書中、小説内の表現に憤りを感じること数回、声を出して笑うこと数回、目から鱗が零れること数回、そして正に言葉どおりの意味で蒙きを啓かれることが何度もありました。ゼロと1の間を歯軋りしながら進むかの如く、思考を徹底的に顕在化させてゆくことの実現。これは読んでいる最中から思っていたのですが、これは間違いなく読書の前・後で読者の思考の指向を(駄洒落じゃないですよ)変えてしまう作品だということです。僕はそうでした。惜しむらくはあと9年くらい読むのが早ければ・・・。


ちなみに各界の著名人が以下の如く大絶賛しております。
「読者に向かって一つだけ言えることがあるとすれば、それはあなたの選択は決定的に正しいと言う一言に尽きている。(中略)日本文学史上の最高傑作の一つに今、あなたは遭遇してしまったのだから、ためらうべき理由などあるはずもないのだ。いや、日本文学史上の、などとケチなことは言わない。何なら世界文学的にも最高水準に値する一遍と断言したっていい。」
―安部和重、作家
「第2巻の解説者安部和重は〈迷わず全巻買い揃えるべきだ〉と書き付けていた。それに倣って私も言う。この作品は少なくとも2度は読まれなければならない。」
―武田信明、島根大学教授
その他にも松本清張瀬戸内寂聴大岡昇平やら木下恵介やら錚々たる面々が賛辞を贈っております。


正直僕の力量だと辛いところも数箇所あったので(特に漢文、和歌等引用部分)、主人公の様に本を読み倒し、死ぬ前にもう1度は必ず通読したいです。

神聖喜劇 (第5巻) (光文社文庫)

神聖喜劇 (第5巻) (光文社文庫)



そういや、「セカイモン」復活しましたね。
http://www.sekaimon.com/