最近読んだ3冊
- 作者: 夢野久作
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1976
- メディア: 文庫
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唯一の長編「犬神博士」は乞食の神童が行く先々で世直し?を行なうお話。夢野にしてはストーリーに奇を衒ったところが無く(そうでもないかな・・)、プロットの力でグイグイ引っぱって行きます。が、史実と辻褄を合わせなくてはいけないせいか(福岡で実際あった炭鉱抗争を下敷きにしているらしい)、途中まで膨らむに膨らんだ話の勢いが見事に途中萎んでしまって、こりゃどちらかというと壮大な失敗作ですな。
「爆弾太平記」は収録されてる中で一番らしい作品。左遷されられた役人と仲間の親子の復讐劇で、昭和の地方の暗部、というかドロッとしたものが滲み出てます。言わば手塚治虫でいう『奇子』的な。けどちょっとあっさりしすぎてる。
「冗談に殺す」はどちらかというと安部公房ぽい、以上殺人犯の心理を描いた短編です。
この本を読むと、『ドグラ・マグラ』がいかに傑作だったかってのが良く分かります。
- 作者: 辺見庸
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/06/20
- メディア: 文庫
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- 作者: ジム・フシーリ,Test,村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/29
- メディア: 単行本
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